イントロダクション
今もっとも共感を呼ぶベストセラー恋愛小説、待望の映画化!
バブル崩壊後の90年代からコロナ禍の現在まで、時代を彩るカルチャーとともに、一番好きだった人の記憶が胸によみがえる。
バブル崩壊後の90年代からコロナ禍の現在まで、時代を彩るカルチャーとともに、一番好きだった人の記憶が胸によみがえる。
1995年、ボクは彼女と出会い、生まれて初めて頑張りたいと思った。“普通”が嫌いな彼女に認められたくて、映像業界の末端でがむしゃらに働いた日々。1999年、ノストラダムスの大予言に反して地球は滅亡せず、唯一の心の支えだった彼女はさよならも言わずに去っていった―。
そして2020年。社会と折り合いをつけながら生きてきた46歳のボクは、いくつかのほろ苦い再会をきっかけに、二度と戻らない“あの頃”を思い出す……。
さまざまな世代の心を掴み、絶賛された燃え殻のデビュー作品『ボクたちはみんな大人になれなかった』。ウェブ連載中からその「エモさ」が話題を呼び、2017年に書籍化されると瞬く間に大ベストセラーとなった半自伝的恋愛小説が、ついに映画化された。
インターネットや携帯電話が普及する以前、雑誌の文通募集欄を通じて知り合い、公衆電話で約束をとりつけた出会いの季節。時を経て、SNSで誰とでも瞬時につながれる現在。バブル崩壊後の1990年代半ばからコロナ禍で人との関わり方が一変した2020年までテレビの美術制作会社で働く「ボク」の恋愛と友情が、移り変わりゆく時代の空気とともにスクリーンに映し出される。
中でも小沢健二、ラフォーレ原宿、WAVE、タワーレコード、シネマライズ、仲屋むげん堂、世紀末へのカウントダウンなどの劇中にちりばめられた90年代カルチャーは、それらをリアルタイムで経験した観客に強烈な懐かしさとせつなさを呼び起こす。一方で、当時を知らない世代も、好きな音楽や映画、ファッションを分かち合う恋人たちの姿に深く共感する。
もっとも、本作の根底に流れるのは、時代が変わっても永遠に変わらない普遍的な感情だ。自分よりも大切な誰かに出会い、世界が変わって見えた時の高揚感。好きな人に存在を承認してもらえた時の喜び。そして、いつまでも消えない喪失の痛み……。観る者誰しもが、自分にとっての「あの時、あの場所、あの人」を思い出し、涙せずにはいられないシーンの数々が抒情的な映像で描かれる。今を生きる人すべてに贈る、2020年代恋愛青春映画の金字塔が誕生した。
そして2020年。社会と折り合いをつけながら生きてきた46歳のボクは、いくつかのほろ苦い再会をきっかけに、二度と戻らない“あの頃”を思い出す……。
さまざまな世代の心を掴み、絶賛された燃え殻のデビュー作品『ボクたちはみんな大人になれなかった』。ウェブ連載中からその「エモさ」が話題を呼び、2017年に書籍化されると瞬く間に大ベストセラーとなった半自伝的恋愛小説が、ついに映画化された。
インターネットや携帯電話が普及する以前、雑誌の文通募集欄を通じて知り合い、公衆電話で約束をとりつけた出会いの季節。時を経て、SNSで誰とでも瞬時につながれる現在。バブル崩壊後の1990年代半ばからコロナ禍で人との関わり方が一変した2020年までテレビの美術制作会社で働く「ボク」の恋愛と友情が、移り変わりゆく時代の空気とともにスクリーンに映し出される。
中でも小沢健二、ラフォーレ原宿、WAVE、タワーレコード、シネマライズ、仲屋むげん堂、世紀末へのカウントダウンなどの劇中にちりばめられた90年代カルチャーは、それらをリアルタイムで経験した観客に強烈な懐かしさとせつなさを呼び起こす。一方で、当時を知らない世代も、好きな音楽や映画、ファッションを分かち合う恋人たちの姿に深く共感する。
もっとも、本作の根底に流れるのは、時代が変わっても永遠に変わらない普遍的な感情だ。自分よりも大切な誰かに出会い、世界が変わって見えた時の高揚感。好きな人に存在を承認してもらえた時の喜び。そして、いつまでも消えない喪失の痛み……。観る者誰しもが、自分にとっての「あの時、あの場所、あの人」を思い出し、涙せずにはいられないシーンの数々が抒情的な映像で描かれる。今を生きる人すべてに贈る、2020年代恋愛青春映画の金字塔が誕生した。
稀代の表現者・森山未來の主演最新作。
忘れられないヒロインを伊藤沙莉が演じる。
忘れられないヒロインを伊藤沙莉が演じる。
主人公のボク=佐藤を演じるのは、『モテキ』、『怒り』、『アンダードッグ』などの映画はもちろん、ダンスや演劇の世界でも唯一無二の存在感を放つ森山未來。佐藤の21歳から46歳までを持ち前の表現力で繊細に演じ分け、平凡なごく普通の男が生きた足跡を確実に魅せる。佐藤がずっと忘れられずにいる初めての恋人・かおり役には、映画・ドラマともに出演作が相次ぐ伊藤沙莉。独自の美学を持つ女性を瑞々しく演じ、観客の心にも鮮烈な印象を残す。さらに仕事や私生活で佐藤に影響を与える個性的な男女の役に、萩原聖人、大島優子、東出昌大、SUMIRE、篠原篤、ラサール石井、平岳大、片山萌美、高嶋政伸と多彩な才能が集まった。
メガホンを執ったのは、本作で監督デビューする森義仁。犬童一心監督、阪本順治監督らのもとで助監督として学んだ後、MVやCMで数々の賞を獲得し、「恋のツキ」でドラマ演出を手掛けた新鋭だ。脚本は『そこのみにて光輝く』、『セーラー服と機関銃 −卒業−』『まともじゃないのは君も一緒』などの高田亮が担当。幅広い層を魅了した原作小説のセンチメンタルな文体や構成を、映像ならではの方法で表現し、2時間4分の豊かな映画体験を作り上げた。
メガホンを執ったのは、本作で監督デビューする森義仁。犬童一心監督、阪本順治監督らのもとで助監督として学んだ後、MVやCMで数々の賞を獲得し、「恋のツキ」でドラマ演出を手掛けた新鋭だ。脚本は『そこのみにて光輝く』、『セーラー服と機関銃 −卒業−』『まともじゃないのは君も一緒』などの高田亮が担当。幅広い層を魅了した原作小説のセンチメンタルな文体や構成を、映像ならではの方法で表現し、2時間4分の豊かな映画体験を作り上げた。
何かを落としてしまったことに向き合う、もしくは向き合うことから逃げて、何かしらの折り合いをつけられることを「大人」と呼ぶのだとすれば、この映画の主人公である「ボク」は本当に「大人」にはなれなかったのか。
落としものをしてしまったことによって生まれた痛みを抱え続けるからこそ、人の痛みをわかってあげられる。そのことを「大人」だと呼ぶのだとすれば、「ボク」は「大人」なのかもしれない。
「大人」になるのは悪いことだけではない、と考えていた時間でした。